御坊市民文化会館自主事業、高嶋ちさ子12人のヴァイオリニスト公演「女神たちの華麗なる音楽会」を取材した。「きょうはいい音楽を楽しんで頂きたい」とテレビでおなじみの毒舌は封印してのコンサートだった◆高嶋さんの選曲の基準は2点。①みんなが知っている曲を弾く②5分以内の曲を弾く。クラシックに詳しいわけでもない一般の人が心からコンサートを楽しめるようにとの気配りで、その意図はプログラム全体に表れていた◆ブラームスの子守歌等のソロ演奏に続き、パッヘルベル「カノン」で11人のヴァイオリニストが登場。半円を描くように高嶋さんを囲み、合わせて「12人のヴァイオリニスト」が勢ぞろいした。10曲の有名なクラシック曲を1分弱ずつ集めた「クラシックメドレー」、ディズニーアニメ曲を集めた「プリンセスメドレー」と観客を一時も飽きさせない。高嶋さんに代わって「12人」のメンバーが1人ずつ司会する「お楽しみコーナー」では、弦を指で弾いて音を出すピッチカート、音を震わせて豊かな表情をつけるビブラート等さまざまな奏法を紹介。「超絶技巧」と呼ばれる奏法を高嶋さんに実演してもらうなど、観客の目と耳を舞台に釘付けに。ハンドベルのようにメンバーが1人1音を受け持つコーナーでは、失敗した人から抜けていくルール。タイミングがずれたり音がはずれるとステージも客席も笑いが爆発。居眠りする姿などまったくみられない◆クラシック=難解、退屈というイメージが一般的にあるなら、それを吹き飛ばすのは非常に有意義なこと。どんなジャンルにも多彩な作品があり、ジャンルで好き嫌いを決めるのはもったいない。クラシックという豊かな世界への入り口を大きく開く、充実したひとときであった。(里)


