去る10日投開票の美浜町長選で、籔内美和子氏(56)=浜ノ瀬=が初当選を飾り、「県内初の女性首長」が間もなく誕生する。
県内の首長選では女性候補自体が珍しいが、現職の分厚い壁を破って当選を果たした。男性が当たり前に感じることでも女性は不快、ハラスメントと受け取る場合があり、そんな部分を少しでも改善しようとすれば異性の目線が必要。女性ならではの感性で行政運営すれば、また違った施策が行われる可能性も高く、周辺市町にも新しい風を吹き込んでくれると思う。サッカー・ワールドカップの日本代表やメジャーリーガーの日本人選手もそうだが、一度出場、活躍すれば何年か後にはそれが当たり前になり、今回の選挙で女性候補、女性首長が新たな一歩を踏み出した意義はものすごく大きい。
2677票対2166票、511票差の決着。何が明暗を分けたのか振り返ってみると、一番大きかったのは「期待」だ。同じ福祉施策を公約に掲げていても、実際に子育て経験のある女性が訴えると説得力が増すのかもしれない。財政厳しい中、「より細やかな施策に取り組んでくれるのでは」「違ったやり方で町をよくしてくれるのでは」。そんな有権者の期待の声もあちらこちらで聞かれた。
「期待」は目には見えない、ぼんやりしたもの。新町長は4年間で、訴えたことを目に見える、体で感じられるものにして、有権者の思いに必ず応えなければならない。人の心は一瞬で様変わりし、当てが外れたとなると、あっという間に失望に変わってしまう。相手候補に入った票についても真摯に受け止め、行政に生かすことが重要であり、「ノーサイド」の精神も忘れてはならない。(賀)


