御坊市御坊、きのくに信用金庫御坊営業部ロビーで、狩谷節子さん(74)=御坊市島=の着物地小物作品展が開かれている。22日まで。

 狩谷さんは幼い頃から母を見習って和裁等手仕事に親しんでおり、着物教室を開いた。50代の頃、2回の入院を経験。べッドで天井を見ながら「身辺整理しなければ」と思い、たくさんあった着物地を使って小物作りを始めた。当時関電御坊営業所にあったフリーコーナーで展示。その後、1995年から毎年1~2月にきのくに信金で作品展を開いている。

 今回も、えとのイノシシのかわいい置物をはじめ、はぎれをパッチワークのように縫い合わせたバッグやベスト、羽織のひもで作った携帯ストラップ、耳かきや髪留めと多彩な品約80点が並んだ。

 ことしは特に、前にしか進まないので「勝虫(かちむし)」という別名があるトンボのブローチをたくさん作り、漢方薬で黒く染めたスカーフに取り付けているのが見もの。狩谷さんは「電車に乗る時も作品を作り、着くまでに完成することも。信用金庫へ来る方には私と同年代の方も多く、作り方などで話がはずんでサロンのようです」と笑顔で話している。

 期間中、午前中にはなるべく会場にいるようにしているという。

写真=作品を前に笑顔の狩谷さん