県のブランド牛である熊野牛の生産技術を高めようと、紀南地方で初めての品評会「紀南種牛共進会」が30日、田辺市秋津町の県熊野牛子牛市場で開かれ、第1区で日高川町千津川の中川裕行さん(45)の「なつき号」、第2区で御坊市名田町楠井の阪口弘さん(40)の「みさき号」がそれぞれ最優秀賞に選ばれた。ともに毛並や品位などが高く評価された。2人は「熊野牛を全国にアピールしていきたい」と話している。
紀南地域の畜産農家15戸でつくる紀南和牛改良組合が主催して初めて開催された。御坊市から新宮市までの畜産農家10戸が育てた熊野牛のメス16頭が出品され、2部門で競った。
第1区は生後12カ月~17カ月のメス牛が対象で、9頭が出品された。中川さんの「なつき号」は、生後16カ月。顔つきや毛並み、毛艶などが高い評価を受けた。中川さんは養牛歴約20年。現在は、千津川地内の中川農園で35頭を飼育。これまでにも子牛で2回、親牛では紀北の品評会で2回、最優秀賞に輝いている。
受賞に際し「とてもうれしく思います。できるだけ良質の草にわらを交ぜて与えるなど、基本を忠実にこなしてきたことが結果につながったのだと思います。今後は親牛として、良質な子牛をたくさん生んでほしいです」と話している。
第2区は17カ月以上から出産1回までが対象で、7頭が出品。阪口さんの「みさき号」は2歳で1回の出産経験があり、骨盤の形、毛並み、黒毛和牛の資質などが最も優れていると認められた。
阪口さんはJA職員として働くかたわら阪口牧場の2代目として黒毛和牛を飼育。阪口さんが仕事をしている間は妻の砂智さん(35)が1頭1頭に目を配り、わずかな体調の変化にすぐに対応するなど夫婦二人三脚で丁寧に育てている。毎年開かれている熊野牛産地化推進会の子牛共進会でも最優秀賞を受賞したことがある。
阪口さんは「受賞できたのは妻のおかげ。和歌山には熊野牛というブランド牛があるんだということを全国にアピールしていきたい」と話している。
写真=中川さんと「なつき号」㊤と、阪口さん夫妻と「みさき号」


