兵庫県明石市長が道路拡幅工事に伴う立ち退きが進んでいないことで、職員に暴言を浴びせたパワハラ問題が大きく報道されている。「火つけてこい、燃やしてしまえ」と衝撃的な言葉だけを見ると、怒りにまかせてとんでもないことをいうものだと思うが、「私がいって土下座でもしますわ、市民の安全のためでしょ」という言葉を含めて全体像を見ると、批判だけでなく擁護する声が出るのも分かる。1年半以上前の音声がなぜ選挙前のいま出てきたのか、そもそもなぜ録音していたのか、分からないことだらけはさておき、職務怠慢を指摘するのはパワハラとは言わない、ただ言い方も大事。

 御坊市で職員を対象にハラスメントの研修会があった。講師によると、ハラスメントと呼ばれるものは100ほどあるという。カラオケをうたうことを強要する「カラハラ」、部下に友達申請を迫ったり、投稿に「いいね」を強要するソーシャルネットワークハラスメント「ソーハラ」、パソコンなどハイテクノロジーに詳しい人がそうでない人に嫌やがらせをするテクノロジーハラスメント「テクハラ」など初めて聞くワードばかり。つければいいってもんじゃないようにも思う。

 研修の講師先生によると、職場でちゃん付けで呼ぶのもセクハラになる場合があるという。もはや何をしても〇○ハラに当たるのではないだろうか。なんとも世知辛い世の中になったものだ。結局はいかに信頼関係を築くかということに尽きる。互いに信頼があればハラスメントにはならない。人間関係の基本中の基本であり、企業のコンプライアンスにもつながる。時代のせいではない、いつの時代も人間性を磨くことが求められている。(片)