㈱NTTドコモは21日、日高川町川原河の川上診療所と和歌山市の県立医科大学との間で、次世代移動通信システム「5G」を使った遠隔医療の実証試験を公開した。ポータブルエコーとタブレットなどを使って川原河の患者を約30㌔離れた医大の医師が診察。4Kの高精細映像やタイムラグのないスムーズな通信で、へき地にいながら高度医療を受けられることを確認した。
5Gは現行の4G(LTE)に次ぐ第5世代の移動通信システム。通信速度は最大10Gbpsで4G(2010年当時)に比べて100倍以上に高速化。無線でありながら有線の光ファイバー並みの高速インターネットが可能になるとして期待されており、2020年の実用化を目指し、総務省の主導の下、研究開発が進められている。
実証実験は15日から25日まで実施中。21日は川原河の保健福祉センター内の和室を患者宅と想定し、川上診療所の医師、平林直樹所長が訪問。患者は心疾患の既往歴がある地元の80代男性。平林医師がポータブルエコーなどを胸に当て、医大では循環器の専門医である穂積健之准教授がモニターを見ながら対応。穂積准教授がエコーを当てる場所などや患者の体の向きなどを平林医師に指示。やり取りはエコーのモニターを共有するとともに、テレビ会議システムを使って医師同士が顔を合わせて行い、スムーズに診察していた。
穂積准教授は「実際に目の前でやっているのとかなり近い感じで、十分取り入れていける」、平林医師は「自宅にいながら専門医に診てもらうことができ、交通弱者の患者さんの負担を減らすことができる」と有効性を確認。診察を受けた患者は「専門の偉い先生に診てもらえてとてもありがたいです」と喜んでいた。
5Gの実験は昨年2月にも川上診療所と医大を結んで行っている。
写真=エコーを当てる平林医師(手前左)とモニターに映る穂積准教授


