県がん教育総合支援事業で初の外部講師を活用した教育モデル授業が15日に日高町の日高中学校で行われ、3年生82人が参加した。講師は県立医科大学がん薬物療法専門医・腫瘍内科医の上田弘樹病院教授が務め、「大切な人をがんでなくさないために」をテーマに講話。生徒たちは、がんは怖い病気だが、生活習慣の改善や早期発見で予防できることに理解を深めていた。
2016年12月に改正されたがん対策基本法に基づき、国は外部講師の活用体制を整備してがん教育の充実に努めている。和歌山県でも「がん教育の推進」を第3期教育振興基本計画に明記し、16年度から学校教諭ら指導者への研修会や教諭から児童、生徒への指導を行っている。本年度は次のステップとなる外部講師を招いての児童、生徒への指導で、県内で唯一、日高中がモデル校となっている。
授業では、上田氏が甲状腺や肺、乳、大腸、ぼうこうなどのがんの種類を紹介した上で、異常な細胞が増えることでがんが発生し、原因は喫煙やアルコール、脂肪の取り過ぎ、運動不足などの生活習慣はじめ細菌、ウイルスなどにあることを解説。「50歳前後でがんが増え、特に男性に多い。生涯でみると2人に1人はがんになる。和歌山県では死因のうち27%ががん」とし、「がんで死なないためには、生活習慣を改善すること。禁煙、節酒、バランスのよい食事、適正体重の維持、適度な運動が必要。がんの大きさが1㌢程度になるには10年から20年がかかるが、その後、体に症状が出て2㌢程度の大きさになるまではわずか1、2年。症状が出る前に検診で早期発見することも大切」などと呼びかけた。
このあと、生徒たちはグループに分かれて「担任の先生ががんにならないようにするにはどうすればいいか」をテーマに意見交換。発表もあり、「お菓子ばかりではなく栄養のあるものを食べてください」「早めに検診を」「あまり無理をしないで」などのメッセージを送っていた。最後に学年を代表して初井廉君が「がんは自分たちも決して無関係ではないと思いましたが、生活習慣の改善や早期発見で治せることも分かりました」とお礼の言葉を述べた。授業を終えて﨑山香輔君は「がんが怖い病気だとあらためて感じました。日頃の生活に気をつけたいと思います」と話していた。
写真=上田教授から講話を聴く生徒ら


