成人の日の14日、全国各地で成人式が行われた。華やかな振袖姿の女性らでにぎわう会場の光景がテレビで映し出され、大人になった自覚や思いを語る姿もみられた。半面、トラブルが発生した成人式も報道された。

 横浜市では一部の新成人が市長のあいさつの途中で叫び声を上げ、舞台へ乱入しようとして警官や警備員らが抑止したという。三重県津市では改造車に乗って式に出席しようとした男性が、故意に警察官に車をぶつけてけがをさせたとして逮捕される事件も起こった。日高地方ではそういった大きなトラブルはなかったが、首長や来賓があいさつしている最中にスマホをいじるという光景がみられたところもあった。

 結婚式、卒業式、竣工式など「式」とつく場は本来、厳かな雰囲気がある。成人式ももちろん例外ではない。しかし近年の様子をみていると、式そのものよりもその後のアトラクションや懇親会が重視され、同窓会的な要素が強くなっているのではないかと感じる面もある。式の最中だけは、背筋を伸ばして気を引き締めてほしいものだ。

 苦言はさておき、20歳前後は人生の中で体力的にも充実した時期。夢と希望を持って何事にも挑戦してもらいたい。そして、行動することだけでなく、常に学ぶという姿勢を忘れず、将来にわたって素晴らしい人生を送ってほしい。

 「学ぶことをやめた者は老人である。20歳であろうが80歳であろうが。学び続ける者はいつでも若い。人生で一番大切なことは若さを保つことだ」。これはアメリカの企業家ヘンリー・フォード(1863~1947)の名言である。新成人の皆さんが未来もずっと、いまのような若さを維持していることを願っている。(雄)