58作目のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」がスタートした。「あまちゃん」等を手がけたクドカンこと宮藤官九郎の脚本で注目される◆日高地方の住民としては、「東京にオリンピックを呼んだ男」である御坊市名誉市民第1号、和田勇が取り上げられるか気になるところだが、それはひとまず置き、とりあえず大河ファンとして第1話を興味深く見た。総集編かと思うほど盛り沢山の内容。よく見ていないと何がなんだかわからなくなるのが難点だが、個人的には大変面白かった◆主人公の中村勘九郎演じる金栗四三がさっぱり姿を見せず、講道館柔道創始者として有名な嘉納治五郎を中心に話は展開する。演じるのは役所広司。嘉納は、五輪が「平和の祭典である」という点に心を動かされ、なんとか日本人を送り込もうと奮闘する。幾多の困難を乗り越えて羽田に競技場を整備し、マラソン予選会を開くが大雨にたたられる。次々と落伍者が出る中、世界記録を塗り替える好タイムでゴールへ駆け込んできた若者こそ、日本初の五輪出場選手・金栗四三であった、というところで次回に続く。日本初のスポーツ愛好会・天狗倶楽部が賑やかに登場した際には「明治の世にこんなにうざくてチャラい輩がいるわけないと思うでしょうが、残念ながら実在したのです」と大河らしからぬ言葉で紹介するなど、コミカルなクドカン節が随所で炸裂している◆登場人物の来歴を調べると、一言で言い尽くせないくらい面白い。近現代史への認識を改めさせるドラマになるかもしれない。扱われるか否かに関わらず、「和田勇の活躍した時代」について知るためにも、このドラマは見ものである。当時を俯瞰する視点を得られる、その意義は大きい。(里)


