ことし5月以降、夏も、秋も、文化祭も、「平成最後の…」という修飾語が付いた。そして12月もあとわずか、平成最後の年末である◆日本で最初に使われた元号は、「大化の改新」で知られる「大化」。御坊とも縁の深い「悲劇の皇子」有間皇子の父、孝徳天皇の即位により645年から始まった。5年後には白い雉(きじ)が献上されたことから白雉と改元。それから長らく元号は使われず、天武天皇の時代、686年の1年だけ「朱鳥」が用いられたが理由は不明。本格的に元号が復活するのは、「大宝律令」で知られる701年の大宝。時の天皇は宮子姫が嫁いだとされる文武天皇(聖武天皇の父)で、この年には道成寺も建立されている。最古の元号、復活時の元号、両方とも当地方にゆかりある天皇の時代なのは不思議な気がする◆今月23日、今上天皇陛下は誕生日の会見で15分にわたって語られた。ご在位中で最後の会見となり、美智子皇后陛下への労いの言葉など、敬意と感動を覚えるお言葉であった。「平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに、心から安堵」していると述べられた。出典である「書経」の「地平らかに天成す」、国の内外で平和が達成されるとの意味が実現されたことになる。一世一元の制が実際された明治以降、近代では初めてのことで、この意義は大変大きいと思う◆年末年始を迎えるたびに、年が改まったからといって取り立てて何も変わったことはないと思ってきたが、そんな一年一年を重ね、ふと遥かな過去と現在との違いに気づき、驚く。時にはふっと立ち止まり、「今」と「これまで」と「これから」をつくづく眺める時間があってもいい。平成最後の年末年始は、そのいい機会かもしれない。(里)