日高川町の温州ミカン農家3人が、消費者庁の「機能性表示食品」制度の認可を取得し、温州ミカンに含まれる「β―クリプトキサンチン」が骨の健康維持に役立つことを表示することが可能になった。生鮮食品分野で個人の届け出が受理されたのは初めて。3人は「個人でも受理されることを示せた。全国のミカン農家のモデルケースになれば」と話している。

 機能性食品制度は特定保健用食品、栄養機能食品に続き2015年から始まった制度。安全性の確保を前提に、科学的根拠に基づいた機能性を証明することで表示許可が出され、商品パッケージに健康効果などを表示できる制度。

 申請したのはインターネット販売をしている松瀬の藏光農園の藏光俊輔さん(39)と若野の森隆農園の森幹也さん(35)、京都や東京などの市場に卸している瀧本農園の瀧本善夫さん(36)の3人で、いずれも日高川町若い農業者部会(藏光代表)のメンバー。

 ミカンが同様の機能性食品の表示を許可されたケースは過去にもあるが、いずれもJAなどの法人で、糖度センサーなど高額な機械を持たない個人では困難とされていた。3人は全国的に若者の果実離れが進む中、個人でも表示許可が出されることを示し、少しでも消費拡大につなげようと申請することを決めた。

 「β―クリプトキサンチン」が一定量含有されていることを証明するためには、相関関係にある糖度が一定数以上であることの証明が必要なため、木の中で最も糖度が低い場所のミカンの糖度を計ったり、実の色見本などを使って一定以上の糖度があることを示し、見事認められた。今後3人の温州ミカンの箱などに「一日に270㌘(3個)を目安に摂取すれば、骨の代謝を高め骨が元気になることが期待される」という表示が可能になった。

 3人は「個人でも大手の企業や法人の農作物と同様のクオリティーであることを認めてもらえた。他の個人でも認められる可能性が高く、全国の農家のモデルになれたのでは」と話している。

写真=左から瀧本さん、森さん、藏光さん