シニア、ボーイズ、ヤングの関西中学生硬式野球3リーグ代表がトーナメントで激突する2018中学生硬式野球・関西№1決定戦「第14回タイガースカップ」は8日、阪神甲子園球場で準決勝と決勝があり、紀州由良リトルシニアが見事初優勝を飾った。4年ぶり2回目の出場の紀州由良は2試合ともボーイズ勢と対戦。いずれも1点差の接戦を粘り強くものにし、県勢初、シニアリーグ12年ぶり3回目の「関西№1」を達成した。

 紀州由良は準決勝で京田辺ボーイズ(ボーイズ3位)に3―2で逆転勝ち。県勢対決の決勝は紀州ボーイズ(同4位)を3―2で破って関西中学生硬式野球の頂点に立った。

 京田辺戦は2点を先制された直後の3回裏にすぐさま反撃。尾藤の左前打、犠打で1死二塁とし、塩路の中前適時打で1点返し、松村の左翼への二塁打で二、三塁としたあと坂尻の右翼への2点三塁打で試合をひっくり返した。4回以降は無得点もエース・塩路が力投。4回1死二、三塁のピンチを連続三振で切り抜けると、5回から7回まではいずれも3者凡退に抑え、7安打8奪三振で7イニングを投げ抜いた。

 紀州戦は2回2死一、三塁から尾藤の左中間2点二塁打で先制。中盤に追いつかれたが、7回2死満塁から松村の千金の中前適時打で熱戦にけりをつけた。投球制限でエースを欠く中、先発・奥地が5回3分の0を7安打2失点と踏ん張り、6回無死満塁から登板の2番手・山本はこの絶体絶命の場面を連続三振、中飛で切り抜けると、最終回も1死から四球を許しただけで得点を与えなかった。

 右足首骨折のため秋の和歌山ブロック予選第4戦まで欠場した山本が、新チームの公式戦初登板で2回無安打の完璧な救援を見せ、エース、中軸以外の選手たちもここ一番で活躍。チーム一丸となって優勝旗をつかんだ。創部30周年の来季は春に全国選抜大会に出場。悲願の日本一へ大きなはずみをつけた。

 原政隆監督は「山本(4番)のけががある中、14人の少ないメンバーでよくここまでこられたと思う。予選の前から『チームの全員の力で勝つんや』といってきて、まさにその戦いができた」と選手たちをたたえ、「スタッフも役割分担してしっかり指導してくれた」と周囲の支援にも感謝の気持ちを表した。

 閉会式では個人賞の表彰もあり、2試合14イニング2失点の塩路柊季選手が最優秀選手賞を受賞した。紀州由良シニアのメンバーは次の皆さん。

 川口隆司(会長)、原政治(事務局長)、原政隆(監督)、原啓介、朝間茂教、仮谷宗彬、石方雄基(以上コーチ)、塩路柊季、西野啓也、山本侑生、西川秀汰、松村祥吾、坂尻翔聖、奥地悠斗、前田一平、尾藤翔太郎、濱口空、小竹雅斗、伊藤翔基、池本龍、山野大地

写真=甲子園で優勝旗を手に紀州由良メンバーら