先日、日高川町和佐の和歌山南陵高校で南陵祭が開かれ、講演会の講師として戦場カメラマンの渡部陽一さんが来校した。渡部さんと言えば、ベストとベレー帽姿でゆっくりとしたしゃべり方が特徴。数年前までお昼にやっていたテレビ番組「笑っていいとも」によく出演していたイメージがある。テレビでは面白いキャラクターだが、もちろん実際に戦場カメラマンとして世界中の戦地を訪れている。

 講演では、おなじみの格好で登場。テレビよりさらにゆっくりではないかと思うしゃべり方で、全身を使った表現も交えながら話した。面白いしゃべり方に生徒たちからは笑い声が響いていたが、話の内容は国際情勢中心の真面目なものだった。

 興味深かったのは、戦場カメラマンの仕事。弾丸が飛び交う戦場を岩陰に隠れながら撮影しているイメージだったが、実際は入念な準備と安全を優先した計画の下で行っている。取材対象となる国から取材の許可証をもらい、地元生まれのガイド、通訳、セキュリティと、最低でも4人で行動する。取材前はどこに行くかやどこで撮影するかを打ち合わせし、計画通り行動。地元ガイドが危険と言う場所には絶対に近付かず、どんなに撮りたい「絵」があっても安全を優先する。無事帰国することを大切にしているという。

 渡部さんが戦場カメラマンを続けるのは、世界の子どもたちの悲惨な状況を多くの人に知ってもらい少しでも改善されることを願っているからだ。その強い思いがあるからこそ、危険と隣り合わせの戦場にも赴くことができる。笑いながらも熱心に聞き入っていた生徒たちにも、いつかは熱い思いを持って世界で活躍する人になることを願いたい。(城)