伝統的なコーヒー栽培で世界農業遺産の登録を目指すエチオピアとウガンダの行政関係者ら10人が14・15日にみなべ町を訪れ、みなべ・田辺の梅システムを視察した。初日には梅の天日干し見学などを通じて地域産業を学んだ。2日目には役場で意見交換し、「梅の薬効を強調すれば、アフリカでも受け入れられやすいのではないか」などという声が聞かれた。

 国連食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所が行っている「発展途上国における世界農業遺産の認定に向けた人材育成事業」の一環で企画。FAOからみなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会に対して協力要請があり、世界農業遺産に関心の高いエチオピアとウガンダから各5人の政府実務者たちが訪れた。両国ともそれぞれコーヒー栽培で世界農業遺産の登録を目指しているという。

 視察は13~15日まで3日間の日程で行われ、初日には田辺市の紀州石神梅林を見学。県の職員からみなべ・田辺の梅システムの概要などについて説明を受けた。2日目にはみなべ町でうめ振興館で梅栽培の歴史を学んだあと、梅郷クラブの山本秀平さん(晩稲)の天日干しハウスを見学した。梅干しのセイロが並べられている様子に興味深く見入り、「梅干しは何日ぐらい干すのか」「どれぐらいから梅の表面に塩が噴出してくるのか」などと熱心に質問していた。このあと西本庄区民会館で梅料理研究会の料理を味わったほか、東本庄の森口道夫さんの炭窯を訪問して製炭方法の説明を受けた。

 15日には役場を訪れ、小谷芳正町長らと意見を交換。梅干しを食べた感想については「白干し梅を2粒食べた。おいしかった」という声も聞かれたが、「梅酒や梅ジュースの方が馴染みやすい」という意見が多かった。「アフリカでもはちみつがある。日本の梅とアフリカのはちみつを使って、はちみつ梅の製品をつくってマーケティングしてはどうか」という提案も。備長炭についても関心を示し、「日本では持続可能な森林管理を進めている。とても参考になった」という声があった。エチオピアの農業・畜産資源省のデレジェ・イゲズ・ゲラルチャ総局長は「生産から加工や販売までの流れが地域に確立されていることが印象的だった。エチオピアにはこうした流れはないが、梅だけでなく他の作物にも生かせる」と話していた。

写真=梅の天日干しを見学するエチオピアとウガンダの行政関係者ら