非常に強い勢力を保ったまま台風24号が30日に田辺付近に上陸し、本州を縦断した。日高地方でも強風が吹き荒れ、各所で被害が出た。9月4日にも台風21号が紀伊半島に接近し、猛威を振るったばかり。日高地方では台風による死者はなかったが、建物の損壊、倒木による道路の寸断、長期にわたる停電など大きな被害が発生した。自然災害の恐ろしさをまざまざと思い知らされた。

 この2つの台風の共通点は「非常に強い」という勢力を保ったまま日本列島に上陸したということ。これは1993年9月の台風13号以来25年ぶりだが、ことしは2つも続いたことになる。強さの段階では「猛烈」に次ぐ2番目で、最大風速が44㍍から54㍍未満とされている。しかも、いずれの台風も日高地方のすぐ近くを通過するという最悪の進路だった。ことしはまさに台風の当たり年といえるだろう。

 近年は長期的にみて台風の発生数が増加しているという。それだけではなく、大型化する傾向にもある。要因は地球の温暖化ではないかといわれている。特に海水温が高い9月は台風が大型化しやすい。海水は7月や8月の方が高温となるのではないか思いがちだが、水は温まりにくく冷めにくいという性質があるため気温とのズレが生じるらしい。

 台風24号が去ったばかりだが、また台風25号が発生している。現在はフィリピンの東側にあって西北西に進行中。今後、日本列島にも影響を与える可能性もある。「一難去ってまた一難」というが、連続する台風の接近は二難、三難がやって来るという感じだ。9月が終わって10月に入った。これ以上、大きな台風が接近するのは、もう勘弁してもらえないかと、つくづく思う。(雄)