クエのシーズン到来! 日高町柏、ふる里ペンション湯川(湯川泰嗣代表)に25日、天然の大物クエが入荷した。

 今月14日にベトナムテレビのロケ用にクエを仕入れたが、20㌔を超える大物は今シーズン初。紀伊水道(和歌山県産)で水揚げされた重さ25㌔、体長1・15㍍、胴回り0・87㍍。よく太っていて脂が乗っており、鍋にすれば50人前になる。ペンション湯川ではこぶだし、クエの骨、ハクサイの根の方(白い部分)、キノコ類、白ネギ、クエの身の順に入れて、ひと煮立ちしたら身を食べてもらう。ぷりぷりの食感で、上品な脂が乗った身は絶品。自家製の朝どりハクサイにはクエのだしがしっかり染み込み、いくらでも食べられるおいしさだという。

 湯川さん(77)は、役場職員時代にクエ料理を全国にPRし、町の名物として定着させた立役者。退職後も「自然を生かし、田舎ならではのことを実行して地域振興につながれば」との思いで、観光地引き網や貸しシーカヤック体験を行うとともに、ペンション湯川を開店して、自身がクエ料理を提供。さらに農業や林業体験メニューを開発し、ヒオウギ貝の育成にも取り組んできた。そんなペンション湯川は来年3月31日で休業を予定しており、今シーズンがラスト営業。「喜寿になり、自分が考えている満足したおもてなしが出来づらくなってきました。平成の終わりとともに、休業させていただくことになりました。多くの皆さま方のご厚情、ご支援に厚く御礼申し上げます」と感謝。また、「営業を続けて来られましたのは、家内節子(75)の協力により支えられたおかげ」と話している。

 ペンション湯川では、クエ鍋9500円で1泊2食なら1万5000円、クエフルコース(クエ鍋+5品)1万3000円で1泊2食なら1万9000円で提供。現在、予約が続々と来ており、29日には大阪府から10人、10月6日には奈良県から4人、13日には神戸から15人が来店する。予約は℡0738―64―2643。

写真=大物クエを前に湯川さん