酒を飲んで運転した上、ひき逃げをし、2人にけがをさせたとして、元アイドルグループのタレントが逮捕された。その後、事故の瞬間を収めたドライブレコーダーの映像が公開され、話題に。そこには、赤信号を無視して交差点に白いミニバンが進入し、横断歩道を渡る自転車や歩行者をはじき飛ばしていく瞬間が残されていた。

 一方、県内では和歌山北署の20代男性巡査が8月、知人の男(30)の交通事故を意図的に見逃したとして、県警監察課などから犯人隠避の疑いで、事情聴取を受けていたことが分かり、ニュースになっている。事実であれば当然許される行為ではない。「黙っていてほしい」と頼んだ方もまたしかりである。

 そんななか、御坊署管内でまた死亡交通事故が起きた。ことし5人目の犠牲者。これまで1月に60歳男性、2月に88歳女性、6月に82歳男性、8月に70歳男性が亡くなり、そして先日、54歳の男性が犠牲になった。9月で昨年1年間の死者数を上回り、20日時点で昨年同期比4人増。さらに県内14署でワースト1位になっている。面積も広いし仕方がないでは済まされない。

 取材のなかで「交通戦争」というフレーズを聞いた。ネットで調べると、1960年代に交通事故死者数が日清戦争の戦死者数を上回り、日本人が作り出した言葉。以来、時代は平成になり、昨年1年間の死者数は1948年以降最少となっている。しかし、なくならない飲酒運転や新たに増えている〝ながらスマホ〟、高齢者の事故。犠牲者をこれ以上増やさないため、秋の全国交通安全運動に合わせ、あらためて気を引き締め、集中してハンドルを握ろう。(笑)