日高川町の愛川(あたいがわ)地区では、11日正午現在、依然として停電が続いている。住民の中には発電機を使って電力を確保している人もいるが、高齢者を中心に不便な生活を強いられており、乾燥機を使えないため稲刈りもできず、農家らは頭を抱えている。

 愛川の小字愛川地区12軒と李(すもも)地区22軒では、強風の影響で電柱が数本折れるなどの被害があり、関電のホームページには記載されていないが、4日の昼から停電が続いている。関電は発電機を貸し出しているが、地区内では停電以降、室内で自家用の発電機を動かし一酸化炭素中毒を起こした人もおり、利用は2機のみ。

 李地内の福本展一郎さん(70)宅には10日に発電機が届けられた。「まずは夜の明かりに使いました。朝になってからは洗濯機や炊飯器に使っています。いままで吉備のコインランドリーまで行っていたので少しは助かりますが、早く復旧して冷蔵庫を使いたい」と話す。発電機は予備燃料も含め最長24時間程度使えるが、定期的にガソリンスタンドに行く必要がある。

 李地区の井原崇区長(65)は「携帯電話も使えないので、情報がまったくこない。車で移動しながら携帯の電波を探し、なんとか通信している。高齢で車がなく食べ物に困っている人もいる。農家は稲刈りの時期だが、米の乾燥機が動かないので、取り掛かることができない。電気柵も使えず、サルに荒らされているところもある。11日から電力会社がやっと入ってくれたので、早く復旧してほしい」と願うが、一方で「電柱の部品が届くのが14日以降なので、復旧もそれ以降という情報もある」と不安をにじませている。

 町では高齢者を中心に保健師の個別訪問を実施したほか、11日の夕食から停電世帯の高齢者14軒に弁当の配達を行っている。

写真=発電機(足元)を使って洗濯機を動かす家庭も(李地区)