台風21号による停電の長期化は、市民の生活にさまざまな影響が出ている。家庭の主婦は洗濯ができず、たまった家族の衣類を抱えてコインランドリーへやってはきたが、洗濯機の前は順番を待つ長いかごの列。家にいても何もできず、夜は暑さで熟睡できない。どの人も「とにかく一刻も早い復旧を願うだけ」といい、その顔には心身の疲れの色がにじむ。

 御坊市名田町上野のパート従業員の女性(58)は、4日午後0時20分ごろから6日朝になっても自宅が停電したまま。洗濯は5日、6日と続けて市内島にあるコインランドリーを利用したが、2日とも同じ境遇の人たちで長い順番待ちとなった。「家にいても何もできず、トイレが使えることだけが唯一の救いです。5日の夜、お風呂は家族で御坊のスーパー銭湯(宝の湯)へ行きましたけど、駐車場は満杯ですごい人でした。洗濯もお風呂も順番待ちで、何もできず待つ時間の長さが一番しんどいです」。家ではスマホも通信、通話ができず、「(コインランドリーで)こうして待ってる間に、スマホで情報収集しています」と話していた。

 御坊市野口の主婦谷磨衣さん(35)はアパート暮らしで、周りはすでに復旧しているが、電線からの引き込み部分に故障が発生し、アパートだけが6日朝も停電しているという。「電力会社に何とかしてほしいとお願いしましたが、人が多いところから復旧作業を進めていくとのことで、うちはいつになるのか…」。洗濯は5日も6日もコインランドリーを利用。「主人と私の実家は両方ともまだ停電していますので、ここ(コインランドリー)しかないんです」と困惑の表情だった。

 御坊市湯川町財部、オークワロマンシティ御坊店前のクリーニングとコインランドリーの店「サンホーム」も、停電世帯の人たちの洗濯物でいっぱい。6日も午前6時の開店から客が訪れ、約3時間後には洗濯かごの列が店の外にまで並んだ。

 店員は一つずつかごに整理番号をつけ、順番がきたときに連絡するなどの対応に追われ、「当店は岩内の工場でクリーニングのお預かり分を処理してるんですが、きょうはこのコインランドリーの分も工場へ持ち込んで処理させていただいています」と話していた。

 このほか、日高町の女性は「停電も大変ですが、私は家があちこち破損しましたので、その修理のために保険屋さんに連絡したいんですが、ぜんぜんつながらないのがもどかしく、どうしていいか困ってます」といい、御坊市の女性は「5日は主人と子どもと3人で、思いきって車で寝ました。子どもはすぐに眠りましたけど、私と主人はさすがになかなか眠れなくて、体も痛いです」と話していた。

写真=洗濯機の前に洗濯かごの行列ができたコインランドリー(6日朝、サンホームクリーニングたから店)