大阪桐蔭(北大阪)の史上初となる2度目の春夏連覇、金足農(秋田)の大旋風などがあった第100回全国高校野球選手権記念大会。少しさかのぼって、開幕日にテレビ朝日系で放送された「ファン10万人がガチで投票高校野球総選挙2018」の結果を紹介したい(文中敬称略)。

 ファン10万人にアンケートを取り、記憶に残る歴代のすごい高校球児トップ30をランキング形式で発表する番組。上位の結果は、➀松井秀喜(星稜)➁松坂大輔(横浜)➂江川卓(作新学院)➃清原和博(PL学園)➄田中将大(駒大苫小牧)➅大谷翔平(花巻東)➆王貞治(早稲田実)➇桑田真澄(PL学園)➈清宮幸太郎(早稲田実)➉ダルビッシュ有(東北)だった。

 全員トップ10入りしても何らおかしくはないのだが、40代の筆者にすると少し違和感を覚える順位。「すごい高校球児」となれば、やはり松坂、清原、田中、桑田、それに11位にランクインした斉藤佑樹(早稲田実)あたりが1位ではないかと思っていたので、松井のトップは予想外となった。松井は度肝を抜く本塁打も放ったが、活躍よりも5打席連続敬遠の〝悲劇〟が先行。「記憶に残る」部分では一番でも、「すごい」で選べばやや違う気がする。

 人間の記憶はどうしても上書きされていってしまうものだ。投票結果を見ると、その後の活躍や人間性、生き方なども順位に大きく影響しているように思え、鮮烈な甲子園でのイメージに相反して順位が低い選手もいる。清原なんかは事件を起こさなければ1位だったとも考えられる。そのときの輝きをより輝かせるためには、その後の人生が問われる。大きなことをやってのけたあとも、大事ということだ。(賀)