日高川町の60歳の男性課長が、女性職員のスカートの中を盗撮したとして、町は男性課長を懲戒免職処分とした。日高川町担当の筆者にとってその課長はよく知っている人で、何度も話したことがある。いままでの印象は温厚で親切な人だったので、最初に聞いたときは「まさかあの人が」と耳を疑った。その課長を知っている多くの人も「いい人だったのに」というくらい。ただ被害に遭った職員の気持ちを考えれば、「いい人」などと軽率に呼ぶことはできない。さらに今回の行為は女性職員をはじめ、住民からの信頼を裏切ることとなり、決して許されることでないだろう。

 日高川町では昨年10月にも男性職員が暴力行為等処罰法違反の疑いで逮捕されており、2年連続不祥事が続いている。さらに近隣では、由良町の男性職員が飲酒運転で逮捕されたうえ、団体の運営費を私的流用していたことも発覚し、懲戒免職となった。

 全国的には文科省の40代課長補佐級職員が約770万円を不正に流用していたことが分かり懲戒免職、さらに文科省の現職局長が大学に自分の子どもを不正合格させてもらい逮捕など。公務員の不祥事が相次いでいる。

 記者と言う仕事上、役場や学校など、公務員と接する機会は多い。公務員だから〝堅い〟など、特別な人はいない。他の業界と変わらず、いろんな人がいる。ただ不祥事のたびに大きく扱われるのは、国民に信頼されるべき立場であるからだ。公務員の志望動機には「安定しているから」という人もいるらしいが、その安定には国民からの信頼に応える責任が伴っている。それに応えている大多数の職員のためにも、新たな不祥事が出てこないことを願いたい。(城)