県は豊富な知識や経験、資格、技術を持つ高齢者が生涯にわたり地域で活躍できる環境づくりに向け、社会参加を希望する高齢者と意欲ある高齢者を活用したい企業や団体を橋渡しする「わかやま元気シニア生きがいバンク」を設置。介護、健康づくり、情報通信、農業などさまざまな分野でバンクへの登録者、バンクの利用者を募集しており、地域の集会等での説明の依頼も受け付けている。

 県は長期総合計画の中で「80歳現役社会の実現」を目指し、高齢者が豊富な知識と経験、資格、技能を生かして社会参加できる仕組みづくりを推進。昨年7月には、社会参加を希望する高齢者と、意欲ある高齢者を活用したい企業や団体をマッチングする機関として、「わかやま元気シニア生きがいバンク」を開設した。

 登録できるのは、県内に住むおおむね60歳以上のシニアで、▽福祉・介護▽スポーツ・健康づくり▽学習・教養▽観光・交流▽パソコン・情報通信▽趣味▽農業・園芸――などの分野で活動できる人(グループや団体でもOK)。これらの登録者を活用できるのは、県内に活動拠点を置く企業や社会福祉施設、事業所、老人クラブ、NPO、市町村、市町村社会福祉協議会、学校など(個人からの活動依頼は受け付けない)。

 各市町にあるシルバー人材センターと似たイメージだが、センターは基本的に登録者が働くことを主眼とし、依頼に応じて選ばれた登録者が有償で仕事をするのに対し、シニアバンクは高齢者の社会参加活動が主眼。登録者と利用者の橋渡しはバンクが行うが、最終的には登録者と利用者(企業、団体)の話し合いで決まり、活動に対する対価は無償、または有償ボランティア(謝金)となる。

 バンクを運営する県社会福祉協議会は「高齢者が培ってきた知識や経験、技能は大切な地域の宝です。資格や技能がなくても、社会参加活動に意欲のある方であれば誰でも登録できます。地域の団体の会合や集まりの際、15分ほどお時間をいただければ、バンクの説明にうかがいます」と呼びかけている。

 パンフレットや登録申請書は、日高振興局健康福祉部(御坊保健所)、同地域振興部総務県民課(日高総合庁舎2階)にある。問い合わせ、出張説明の依頼はバンク(県社協)℡073―435―5214、または県長寿社会課℡073―441―2521。