印南風力発電㈱(伊藤宗博社長、印南町宮ノ前)が樮川、羽六の両地区にまたがる山中に建設、営業運転を始めた印南風力発電所の竣工披露式が2日、現地で行われた。町内初の風力発電施設で、事業主や県と印南、みなべの両町、地元、工事関係者ら約60人が出席し、完成を祝うとともに安全な操業を祈願。再生可能エネルギーの普及に期待を寄せた。

 印南風力発電は大阪ガス㈱の子会社「㈱ガスアンドパワー」が95%、㈱三井E&Sエンジニアリングが5%出資する会社。2016年1月に着工し、印南町とみなべ町を結ぶ町道(通称・黒潮フルーツライン)近くの山あい約27・2㌶に、1基当たり出力2000㌔㍗の風力発電機13基(総出力2万6000㌔㍗)を設置、ことし6月稼働。電力は大阪ガスが購入して小売事業者に販売する。

 竣工披露式は、竣工式(神事)のあと開所記念式典があり、主催者の宮川正大阪ガス副社長が感謝を述べた上で「安全かつ安定的なエネルギーの供給が使命であるという気概を持ち、印南風力発電所が環境面での最大限の配慮をもって、地元から愛される発電所となるよう努めていきたい」とあいさつ。来賓の日裏勝己印南町長が「再生可能エネルギーの一つである風力発電は自然環境に寄与する部分が大きく、印南町の環境だからこそ実現できると自負しています。この発電所が自然環境を保全し、社会に貢献する施設になることを願っています」と祝辞を述べた。

 運転開始報告(プロモーションビデオ)に続き、宮川副社長、日裏町長、みなべ町の小谷芳正町長らが鏡開きで盛大に祝福。伊藤社長が「発電所は無事竣工、運転開始となりましたが、もちろんこれで終わりではなく、地域の皆さまにこれからずっと安心して見守っていただけるよう、今後も運営、維持管理に責任感と使命感を持って努めていきます」と謝辞を述べた。

 印南風力発電所の年間総発電量は約5000万㌔㍗時で、一般家庭約1万4000世帯分の電気量に相当。風車の耐用年数は17年間で、町には計約5億2000万円の固定資産税が見込まれる。

写真=盛大に鏡開きで祝福