第100回記念の夏の甲子園出場が争われる全国高校野球選手権和歌山大会の開幕(7月11日)まで、1カ月を切った。本紙でも記者3人が、エリア内7校のチーム紹介特集へ取材にとりかかった。大きな節目となる今夏の紀三井寺。どんなドラマが待っているのか、いまから楽しみだ。
昨年夏の和歌山大会は紀央館の大活躍が記憶に新しい。ノーシードながら5年連続の初戦突破で勢いに乗り、前評判を覆して伝統校や強豪校を次々と破った。準決勝までの4試合では延長10回サヨナラ勝ちを含めて1点差勝ちが3度と粘り強い戦いぶりが光り、決勝では智弁和歌山に2―3で惜敗したものの、1点を追う最終回、1死からの3連打で満塁と攻め立てて甲子園常連校を追い詰めた。最後は遊直併殺でゲームセットだったが、痛烈な打球に一瞬「やったぞ」と立ち上がりそうになったこともはっきりと覚えている。
地元勢はとにかく夏の甲子園が遠い。このコラムでも毎年紹介しているが、1999年から2004年までの6年連続準優勝(99~01年南部、02年日高中津、03年国際開洋二、04年日高)、5年前の南部、昨年の紀央館をはじめ、平成になってからだけでも実に14回決勝に進出しているが、82年の南部以降、夢舞台の土を踏んでいない。記者になって22年の間、歓喜の瞬間を記事にしたことがないというのは本当に残念である。
1年前の銀メダルは、公立校でも最後まであきらめず、やればできると、多くの高校球児たちにやる気と勇気を与えるものであったと思う。この夏、選抜準優勝の智弁和歌山が立ちはだかるが、自分たちの力を信じて全力プレーで挑み、過去99回を超える最高の夏にしてもらいたい。(賀)

