日本三美人湯の龍神温泉と世界遺産の高野山を結ぶコースの「高野山・龍神温泉ウルトラマラソン2018」が10日に田辺市龍神村などで開催され、約900人が50㌔と100㌔の長距離コースに挑んだ。50㌔の出発地点となった龍神村では前日に龍神温泉元湯別館で宵宮祭が催され、地元民らがランナーを歓迎した。
 ウルトラマラソンは、フルマラソン(42・195㌔)以上の距離を走るマラソン。この大会は高野龍神スカイラインを通る高低差812㍍の難コースで、田辺市、高野町などで組織する実行委員会(会長=平野嘉也高野町長)が主催。100㌔は高野町の高野大学前を出発して龍神村で折り返すコース、50㌔は龍神村の宿泊施設「季楽里龍神」前をスタートして高野町内をゴールとするコース。2016年に第1回が開かれ、第2回の今回は香港や台湾など国外からも出場があり、100㌔に481人、50㌔に453人の計934人がエントリーした。
 50㌔コースのスタートとなった季楽里龍神では午前10時に号砲。一斉に高野山方面へ走り出した。途中のエイドステーションでは、疲労回復効果があるといわれる特産の梅干しなどを用意し、ランナーにアピール。沿道でも手を振って声援を送る住民の姿がみられた。新潟県から出場した西澤町子さん(64)は「10年前からダイエットするためにジョギングを始め、いまでは1カ月に250㌔程度走っています。いままでにもウルトラマラソンには5回出場しました。今回は高低差が800㍍以上ある難コースだが、頑張って完走したいですね」、和歌山市の辰巳進史さん(44)も「特に学生時代に陸上をやっていたというわけではありませんが、4、5年前からマラソンを始めました。フルマラソンは走ったことはありますが、ウルトラマラソンは今回が初めてです」とスタート前に話していた。
 前日の宵宮祭では、龍神太鼓保存会メンバーの演奏、ご当地体操「龍神温泉美人体操」が披露されたほか、昔ながらの臼ときねを使った餅つきも行われた。会場ではシイタケバーガーなどが振る舞われ、参加者同士が楽しく交流を深めながら健闘を誓っていた。