認知症の本人が安心して暮らせる地域づくりをともに目指そうと、御坊市と大手製薬会社エーザイ㈱がタッグを組むことが決まった。7月9日に「認知症と共生する地域づくり推進に関する連携協定」を締結する。エーザイは全国の自治体や団体と同様の協定締結を進めているが、県内では御坊市が初めてで、人材育成や理解促進に取り組んでいく。
エーザイは1997年、世界初の本格的アルツハイマー型認知症治療剤を発売し、認知症の薬物治療に大きな革新をもたらしたことで有名。その後も認知症専門医への情報提供を行い、診断、治療、ケアの質の向上に貢献。一般向けにはウェブサイトを開設して「認知症と生きること」を主眼に当事者の視点を重視して正しい情報を発信するとともに、「認知症かもしれない」という人の医療機関への受診のきっかけづくりにも取り組むなど、認知症と共生する地域づくりに積極的にかかわっている。
2013年からは全国各地の自治体や医師会等と連携協定を結んでおり、ことし4月1日現在で132団体と締結している。御坊市は以前からエーザイの担当者とつながりがあり、県内で初めて協定を結ぶことになった。
協定書案では、行政・医療・介護等の関係機関間の連携が強化された体制づくり、地域づくりを担う人材育成、認知症に対する理解促進、その他認知症の人が安心して暮らせる地域づくりを促進するための活動に関して連携することを明記。啓発や研修への協力、情報提供、プロジェクトへの参加も盛り込んでいる。具体的に何ができるかは今後検討していくが、エーザイ発行の教材の活用などをイメージしている。
介護福祉課の田中孝典課長は「認知症治療薬のパイオニアであり地域貢献にも力を入れているエーザイさんと協定を結べるのは心強い。相互に情報共有して連携を深めながら、認知症とともに生きることができる社会の実現に積極的に取り組んでいきたい」と話している。

