数字(視聴率)も売り上げも上がるのだろう。テレビや週刊誌は相変わらずスキャンダル報道に明け暮れ、次々と新たな主役が生み出され、先週は人気オッサンアイドルによる不祥事が話題を独占した。
 少し前には、財務省事務次官がセクハラ、県知事が複数の女性との援助交際(買春)をネタにワイドショーの餌食となった。いずれも芸能界や政治、霞が関のトップを走るエリートだが、表と裏の顔のバランスを維持するには、相当なストレスがあると思われる。
 昔から洋の東西を問わず、組織内の闘争を勝ち抜いてトップに立つ人は当然、上昇志向が激しく、同時に強い性衝動を持つという指摘がある。実際、性的醜聞で失脚するトップはあとを絶たず、性衝動と権力志向の強さには少なからず相関関係があるのだろう。
 アイドルも政治家も、ファンや有権者の支持がないと生き残れない。ようするに人気がすべての商売で、24時間、「いい人」を演じ続けなければならない。立花隆氏はこの特異な環境が強い性欲の発散を抑圧、歪曲し、異常な性癖を持つ権力者を生むという。
 買春を暴かれた元知事は、灘高から東大医学部に合格し、医師となったのちは司法試験にも合格した。そんなすばらしい頭脳を持ちながら、政治力とともに清廉なイメージを求められる「知事」という自分の立場を認識できていなかった。
 最近、「IYI」というDAI語を耳にする。「Intellectual Yet Idiot」の略で、直訳は「高学歴なのに無能」。コミュニケーション能力が養われる友達をつくれず、人並みの人生経験ができなかったか。これらIYIの下衆なスキャンダルこそ、じつは学歴偏重社会の是正を強く後押ししているのかもしれない。(静)