昨年7月に公開されたアニメ映画「メアリと魔女の花」がDVD化されたので観た。制作はスタジオポノック。人気長編アニメ映画でおなじみスタジオジブリの制作部が2014年末に解体されたが、ジブリの一部スタッフで立ち上げたのがこのスタジオポノック。メアリと魔女の花は初制作作品で、「借りぐらしのアリエッティ」と「思い出のマーニー」を手掛けた米林宏昌氏が監督を務めた。
 ストーリーは一人の少女が不思議な花を見つけ魔力を手にするところから展開。不思議な世界で苦難に立ち向かい、成長する姿を描いている。ジブリ好きの筆者にとっては楽しみにしていた作品。キャッチコピーが「魔女、ふたたび。」と言うだけあって、ジブリ作品の「魔女の宅急便」を思わせるシーンも。また、映画の中ではジブリ作品の「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」「天空の白ラピュタ」などで観たようなキャラクターや場面がいくつも登場し、ジブリファンなら「あっこれはあの映画から来ている」などと、〝ジブリあるある〟も楽しめる。まるでジブリ作品を詰め込んだようなイメージ。現実にありそうであり得ない、どこか懐かしい、そんなジブリ作品のカラーを受け継いでいる。
 ジブリを支えてきた巨匠宮崎駿さんは、この映画を観るのを拒否したそうだ。その真意は分からないが、若手の監督が新作を出すたびに引退宣言を撤回してきた、負けず嫌いの宮崎さん。観ないことこそが、この映画の素晴らしさを確信しているという証ではないだろうか。ジブリから派生したスタジオポノック。今後もたくさんの感動や興奮を与えてくれるアニメ映画の制作に期待したい。            (吉)