警察官や消防士ら著しく危険性の高い業務に精励した人を対象とする危険業務従事者叙勲(29日発令)の受章者が発表され、県関係は27人が受章する。日高地方からは、警察功労で元県警部補の戸根弘氏(71)=日高川町千津川=が瑞宝単光章を受章。41年半の長きにわたり現場の第一線で治安維持に力を尽くした。5月上旬から中旬にかけて各省庁、県で伝達式、喜びの拝謁が行われる。
 1965年10月に和歌山県警に採用されて2007年3月に退職するまで地域課を中心に勤務。主にパトカーや交番勤務で地域の安全安心を守ってきた。
 有田市出身で、66年の御坊を振り出しに湯浅、新宮、田辺、和歌山西の各署に配属。なかでも御坊署では通算25年半の間、パトカー勤務や薗、旧島の各交番、中津、名田の各駐在所で勤務した。
 駆け出しのころ、由良町内で職務質問中、居眠り運転のトラックが突っ込む事故で先輩2人が殉職。「いまでも忘れられない」と悲痛な表情を浮かべる。その事故以来、教訓として「車の運転手は必ずしも前を見ているとは限らない」という意識を持って後輩にも指導。常に危険と隣り合わせの職務に励み、御坊では橋本方面から和歌山、海南、有田地方の検問を突破してきたシンナー吸引者、白浜方面から追跡してきた盗難車を確保するという大捕り物もあったという。
 パトロールで犯罪を予防し、何かあれば現場へ真っ先に急行。モットーは「善良な市民への奉仕」で、交番や駐在所では各家庭を回ったりし、住民の相談相手として気持ちに寄り添い、困りごとに耳を傾けてきた。「最初に赴任したところが御坊でよかった」。まちも人も好きで、何より大事にしてくれ、退職後も事件事故がないよう願う。
 受章に「たいへん名誉なことで、ありがたい。上司、先輩、同僚らのおかげで、そして地域の方の協力、支えがあったからこそ。家族にも感謝したい」と笑顔を見せている。