厚生労働省の事業で、御坊市介護福祉課の谷口泰之係長が委員の一人として作成に取り組んでいた、認知症診断直後に役立つ「本人ガイド」が完成した。谷口係長は「認知症になってもこんなことができる」という本人視点で積極的に意見や提案を行い、御坊の取り組み事例もガイドに盛り込まれている。全国の全市町村に配布され、認知症と診断された本人や家族の不安解消につながると期待されている。
厚労省の2017年度老人保健事業推進費補助金を活用して地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターが取り組んだ「認知症診断直後等における認知症の人の視点を重視した支援体制構築推進のための調査研究事業」の一環。これまで、認知症と診断されてから支援を受けるまでの手引きがなかったことから、初めて本人ガイドを作成することになり、全国から団体代表ら12人を作成チームのメンバーに選出。その1人に、認知症支援で全国先進地の御坊市から谷口係長が選ばれていた。
タイトルは「本人にとってのよりよい暮らしガイド~一足先に認知症になった私たちからあなたへ~」。24㌻にわたって認知症本人が、自分が診断されたときの思いやどのように前へ進んで行けたかなど、メッセージを送る形に仕上げている。
内容は「一日も早くスタートを切ろう」「これからのよりよい日々のために」「あなたの応援団がまちの中にいる」「わたしの暮らし」の4つ。それぞれの項目別に「町に出て味方や仲間と出会おう」「やりたいことにチャレンジしよう」「できないことは割り切ろう、できることを大事に」などとアドバイスしている。「わたしの暮らし」では本人が普段の生活の様子をつづっており、御坊市の西山昭二郎さん(90)の暮らしも2㌻にわたって取り上げられている。ほかにも御坊で開かれた本人サミットや、倉庫ミュージアムwawawaで開かれた「ごぼうホッとサロン」の様子の写真も掲載されている。谷口係長は「認知症になったら何もできないというイメージを払しょくし、認知症になってもこんなことができるということを伝えられたし、診断された人が前向きになれるガイドになりました。作成チームには認知症本人2人も入っていましたが、2人とも『こんなガイドに早く出会いたかった』といわれていました」と充実した内容に仕上がったことを強調。「すべての市町村に配布されていますので、ぜひ活用してください。診断直後のショックや不安が少しでも解消されることにつながってほしい」と話している。ガイドは東京都健康長寿医療センターのホームページでも閲覧できる。
御坊市では、御坊版の本人ガイドを作成することにしている。

