小学生のころ、学校から帰宅すると〝おやつ〟に祖母がうどんを作ってくれた。いまでもたまに食べる。十数円のうどん玉、粉末のスープの素、そして天かすがあればそれでいい。「♪きつね、月見、天ぷら、お肉、鍋焼き...」――いつもお世話になっているスープのCM。なんと、これは西日本版で、東日本版は「きつね、たぬき、天ぷら、月見、お肉...」という。「たぬき」といえば、あげが入ったそばをイメージするが、関東では天かすが入ったうどんが出てくるそうだ。
今月上旬、福岡県のうどん店で天かすの自然発火が原因とみられる火災があった。報道によると、木造平屋約90平方㍍のうどん店が全焼。従業員が最後に店を出たのは前日の午後10時ごろで、翌日の午前4時30分ごろ、仕込みのために訪れた従業員が、店内の倉庫が燃えているのを見つけた。倉庫に置かれていたのは集められた天かす。鍋の上に置かれた金ざるの中に天かすが入れられ、アルミ製のふたがしてあった。
消防やネットで確かめると、天かす表面の天ぷら油が空気に触れる面積が大きく、調理した高温の天かすを1カ所に入れたままにしておいたとき、酸化反応が促されて発熱。熱は内部から逃げにくく温度が上昇する。人がいなくなったあとに発火することがあり、量が多いほど危険。容器に詰めたりして放熱環境が悪いほど、さらに危ないという。
最近、家で天ぷらを調理した。そのとき捨てた天かすは大丈夫だっただろうか。春の火災予防運動が終わって10日余り。今月は火災が多い気がする。空気が乾燥し、風の強い火があるこの時季。火の取り扱い、そして天かすにも十分注意が必要だ。(笑)

