平昌オリンピックが25日に閉幕した。開幕前には選手そっちのけで政治的な要素が大きく取り上げられていたが、大会が始まってしまえば各競技とも熱い戦いが展開された。日本人選手も金4個、銀5個、銅4個の計13個を獲得し、過去最高のメダル数となった。アスリートたちの活躍はテレビや新聞などで連日報道され、国民に大きな勇気を与えた▼感動的なシーンもたくさんあった。例を挙げると、女子スピードスケートの500㍍で金メダルに輝いた小平奈緒選手も印象に残った1人。五輪3連覇の夢が破れた韓国の李相花(イー・サンファ)に自ら歩み寄って抱擁したシーンは大勢の観衆の心を打った。日韓では慰安婦問題や竹島問題などで政治的ないがみ合いが続いているが、韓国からも「人間的にも素晴らしい」と称賛の声が上がっているという。姉妹そろって出場した高木菜那・美帆選手は、姉の菜那選手は小さい頃から妹の美帆選手と比較され続けた葛藤を乗り越え、パシュートとマススタートの2種目で金メダルに輝いたことも感動的だった▼五輪は華やかな舞台だが、どの選手にも過去には大きなけががあったり、成績が振るわなかった時期などさまざまな困難があったに違いない。順風満帆だった選手はいないのではないか。それを乗り越えられたのは家族、指導者、同僚、ファンらの支えだろう。メダリストたちがインタビューで「大勢の応援のおかげ」と口をそろえて話すことがそれを証明している▼トップアスリートには人並み外れた運動能力はもちろん必要。しかし、優れた人間性がなければ周囲の支えは得られない。スポーツだけでなく、政治や経済などあらゆる世界の超一流には人を引きつける人間的な魅力を持ち合わせているのだろう。(雄)

