県民の肺がん等のがん検診受診率が4割前後にとどまり、ほとんどが全国平均より下回っていることが、県が行った保健医療に関する県民意識調査で分かった。県はこれらの結果を踏まえ、新たな県保健医療計画の策定等を進める方針。各種がん検診の受診率については、5年後には70%以上に上げることを大きな目標として対策を進めていく。
 県は新たな第7次県保健医療計画を策定するにあたり、その参考にするため、全県的な調査としては初の県民意識調査を実施。昨年7月から8月にかけて、満20歳から79歳までの県民4000人(無作為抽出)を対象に調査票を郵送で配布・回収した。回答者数は2093人、回収率は52・6%。主な調査内容は▽平時や急病時の受療行動▽医療費に関する意識▽健診等の受診状況▽人生の最終段階における医療について││など、計55の質問を行った。
 がん検診の受診状況に関し、過去1年間に検診を受けたと答えた人は、肺がんが44・4%、大腸がんが36・4%、胃がんが41・2%、子宮頸がんが35・5%、乳がんが36・4%。厚生労働省が2016年に実施した国民生活基礎調査の結果と比べると、胃がんを除いていずれも全国平均を下回り、検診を受けない理由は「費用がかかる」が32・9%で最も多く、以下「受ける時間がない」「健康に自信がある」「必要なときはいつでも医療機関を受診できる」などが続く。
 肺がん検診の受診者を年齢層別にみると、40代から70代前半にかけてが5割前後と高く、最も高かったのは50代の55・0%。保健医療圏別では、御坊(みなべ町を除く日高地方6市町)が58・8%で最高だった。
 県はこの結果を受け、「まだまだ上げなければならない」とし、23年度までに胃がん、肺がん、大腸がん、子宮がん、乳がんの受診率を70%、精密検査受診率は90%まで上げることを目標に計画案をまとめている。
 このほか、県民が地域で不足していると感じている診療科については、「不自由を感じているものはない」という回答が26・0%で最も多く、次いで多かったのは産科・婦人科の20・3%。産科・婦人科が足りないという声は有田や御坊圏で高くなっているが、この点について県は「御坊の場合は中核の国保日高総合病院が医大と連携してしっかりと対応しており、今後も住民が安心して暮らせる地域づくりに向け、保健医療対策を進めていきたい」と話している。