2017年度市民教養講座が先日最終回を迎えた。女優の室井滋さん、絵本作家の長谷川義史さんら「しげちゃん一座」の絵本ライブである◆まず始まったのは「パンチパーマちりちり」。「♪パンチパ~マ、パンチパ~マ、パンチパ~マ...」「ちりちりちり」「♪パンチパ~マ、パンチパ~マ、パンチパ~マ...」「ちりちりちり」えんえんとその歌が繰り返される。単純なだけに一度聞いたら忘れられないインパクト。今でもふとした時に「♪パンチパ~マ...」と頭の中に流れ出すほどだ。登場した室井さん、長谷川さんのテンポのいい掛け合いをサックスとピアノが盛り上げながら、じゃがいも一家の別れと再会の話「じゃがいもポテトくん」、長谷川さんがカナダの作家の絵本を大阪弁に訳したちょっとブラックな「どこいったん」、アドリブ満載の「ようちえんブルース」...内容も趣向もさまざまな絵本ライブが繰り広げられる◆特に傑作は観客も協力した「へっこきよめどん」。話はよく知っているが、長谷川さんのパワフルな絵、室井さんのボリュームある語り口で表現されると一段と面白い。「よめどん」の「へっこき」に秘められた恐るべき破壊力がありありと想像できて、笑いが止まらない。さらに室井さんは、鍵盤を額で押さえてのピアニカ演奏「おでこピアニカ」も披露。じっと見ていてもどうやっているのかまるで分からない。最後に、沖縄の男の子が書いた詩に長谷川さんが絵を描いた「へいわってすてきだね」で大人への真摯なメッセージを伝え幕を閉じた◆絵本と音楽ライブの魅力の融合、大人も子どもも理屈抜きに面白さを堪能できる時間なのだなと納得。講演とはまた違った、眠っていた感性を刺激してくれる充実の2時間だった。(里)