約150年前、会津藩士山川浩と交流していた御坊市の中野家が所有する山川から贈られた会津塗の椀などを、16日に会津若松市に寄贈するのを前に、中野家を代表して現地を訪れる中野健さん(64)=横浜市在住=らが12日に柏木征夫市長を訪問。中野さんは寄贈をきっかけに友好が深まることに期待し、柏木市長は「姉妹都市など友好関係につなげたい」と意欲を示した。
 会津若松市はことし戊辰150周年記念として、会津の先人を紹介する事業などを展開していることから、中野家の意向で所有する山川ゆかりの品はすべて「御坊中吉旅館子孫一同」の名で寄贈することになった。16日に会津若松市の室井照平市長を訪ねる中野さん、大谷呉服の大谷春雄さん、龍神康宏副市長、森田誠生涯学習課長が柏木市長に経緯等を報告。中野さんは「エルトゥールル号の逸話のような話。御坊日高の住民は困っている人を放っておけない心のやさしい人ばかり。寄贈をきっかけに、御坊と会津の友好、親善が深まればうれしい」と期待を膨らませた。
 柏木市長は「心温まる話で、いろんな品が残っているのが素晴らしい。密接なつながりがあることの証明で、相手のあることですが、姉妹都市など友好関係を築くことにつなげたい」と、初めて姉妹都市に言及。市ではパートナーシティ協定を結んでいる自治体はあるが、姉妹都市はなく、会津との交流の歴史の貴重さをうかがわせた。市長の代わりに訪問する龍神副市長は「柏木市長の思いをしっかりと伝えてきます」と話した。