ここ最近、物忘れがひどくなった。特に人の名前やとっさの時に使う言葉がなかなか出てこない時がある。まだ専門医の診察は受けていないが、妻に「少し認知症が入っているのかな」と言うと「そうかもね」と笑われてしまった。
調べてみると物忘れには加齢によるものと認知症によるものがあり、▽物忘れを自覚している▽体験したことの一部を忘れる▽ヒントがあれば思い出す▽日常生活に支障はない▽判断力は低下しない――などの症状は加齢が原因で、認知症とは別物だという。この逆が認知症になる。筆者の場合はおそらく前者の加齢によるもので、思い当たることが幾つかある。その中の「ヒントがあれば思い出す」については、ある方法でその答えを導き出している。それは人の名前や言葉を思い出そうとする時、ア行から順に声に出し、頭の中で単語を作っていく。すると知りたい名前や言葉の最初の部分に行き当たって思い出す。誰でもやっているかもしれないが、いまのところ筆者にはこれがベストのようだ。
ところで、ことしも政治家や役人の「記憶にございません」発言が幾つかあった。なかでも強烈だったのが7月にあった衆院での閉会中審査で経産省の柳瀬唯夫審議官が放った7連発の「記憶にございません」だ。いわゆる「加計疑惑」に関連した質問で、今治市の職員と会ったのか、何を話したのか、何を聞かれても「記憶にございません」の一点張りで、審議がストップしたという。
この柳瀬審議官の「記憶にございません」は、おそらく本物の物忘れでも認知症でもあるまい。記憶力のせいにして責任の所在をうやむやにする。政界におけるこの手法ばかりは、時代が進んでもなかなか改まらないようだ。 (高)

