御坊市湯川町小松原の湯川子安神社で倉庫に保管したままとなっている神輿(みこし)を多くの人に見てもらおうと、小松原の有志でつくる湯川子安神社祭礼保存会(丸山信仁会長)は2018年元日にお披露目する。昭和42年の秋祭りに神輿を出して以来、50年ぶり。冬休みを利用して保存会メンバーや地域の子どもたちが、ほこりをかぶっていた神輿をきれいに掃除し、地域の宝物を美しい姿によみがえらせた。
 同神社では、拝殿への階段の横に倉庫等として使っている平屋の建物があり、長年にわたって神輿が保管されている。毎年10月に行われている秋季祭礼でも神輿が出ることはなく、戦後では昭和42年に一度だけ台車に乗せて引っ張ったことがあるだけ。保存会では、「立派な神輿があることを知らない氏子も多い。何とか見てもらえる機会を作りたい」との思いを持ち続けてきた。昨年から保存会の活動に小中学生が参加してくれるようになって活気が出てきたことから、若い保護者らに相談したところ多くの賛同を得て、正月の参詣客に見てもらうことにした。
 今月24日には子どもから大人まで約20人が集まり、漆や金箔などがはがれ落ちないよう毛筆の筆を使って汚れを落としたり、倉庫の中を雑巾がけするなど半日かけて作業。ほこりまみれだった神輿は赤色の欄干や鳥居、金箔などが浮かび上がり、歴史を感じさせる造りがよみがえった。神輿の歴史については書物等が残っておらず、詳細は不明。存在自体もあまり知られておらず、小松原出身の91歳の女性は「小さいころにだんじりを引いた記憶はあるが、神輿があることは聞いたことがなかった」というほどで、当日は貴重な機会となりそうだ。
 同神社総代の岡本進さん(76)は「小学生のときに小松原の四ツ太鼓の乗り子をしましたが、神輿が出た記憶はありません。若い人たちがこうしてお披露目してくれるのは本当にうれしい」と感激。保存会の丸山会長は「若い力でこうして盛り上がり、将来的には秋祭りでも出せるようになればと思っています」と期待を込めていた。
 お披露目は元日に日付が変わってから午後5時ごろまで。午前10時から11時までの1時間は、小松原の獅子舞のオニとワニが子どもたちにアメなどを配ることにしており、多くの参詣を呼びかけている。