田辺市龍神村からみなべ町へ続く主要幹線道路、国道424号の改良事業に関し、県は来年度、両町村境界部分の切目辻トンネルを含む未改良区間を事業化する。同トンネルはいまから60年前に完成し、内部の岩盤にモルタルを吹き付けたいわゆる素掘りのトンネル。道幅が狭く乗用車同士の対向も難しいことから、以前から危険性を指摘、改良を求める声が上がっていた。
切目辻トンネルは国道424号、通称「龍南線」の龍神村とみなべ町の境界にあり、1957年に完成した長さ約420㍍の古いトンネル。天井の高さは5・5㍍と低く、道幅も5・4㍍と狭いうえ、岩盤に吹き付けたモルタルが洞窟のようにでこぼこしている。その不気味さから、「夜は怖くて通れない」という声も少なくなく、何よりも乗用車同士の対向が困難という道幅の狭さに危険性を訴える声は強く、県に対して早期改良の要望が寄せられていた。
今月11日の県議会本会議一般質問で、地元みなべ町の坂本登議員がこの問題を取り上げ、あらためて現トンネルの危険性を指摘。「龍神村は御坊へ至る日高川ルートや田辺市へ通じる虎ケ峰ルートがあるが、このみなべ町へ通じる龍南線は高速道路(南部インターチェンジ)への最短ルートであり、切目辻トンネルが整備されれば時間的アクセスも飛躍的に短縮できる。地区住民の利便性に対する貢献度はとても大きく、できればトンネル出入り口の高度を掘り下げ、線形を改良してもらえれば安全性、利便性はさらに高まる」とし、早期の事業化を訴えた。
これに対し、森戸義貴県土整備部長は「トンネルや橋の道路構造物は5年前に発生した中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故を受け、5年に1回の近接目視点検が義務づけられた。県は2016年度からトンネルの定期点検に着手し、来年度までにすべてのトンネルで完了する予定で、切目辻トンネルも本年度、点検を実施している。その結果を待って必要な対策を検討することになるが、結果に基づく補修だけでなく、狭くて低く、暗く通行しづらいといった面も総合的に考え、抜本的な改修整備の検討も必要だと考えている」と答弁。
仁坂吉伸知事は龍南線を「川筋ネットワーク」道路に位置づけ、台風12号豪雨で被災したみなべ町清川の法手見トンネル付近(清川工区)の復旧もほぼ計画通りに進んでいることを説明。「災害でご家族を亡くされた遺族をはじめ、地元の皆さまのご協力によりようやくここまできたが、清川工区から国道425号との交差点までの区間は、急カーブが続く未改良区間が残っている。とくに切目辻トンネルの危険性、不便さはご指摘の通りであり、高速へのアクセス強化、災害時や緊急時の利便性向上へ、切目辻トンネルを含む区間については来年度で事業化したい」と述べた。

