国内では前立腺がんの摘出等に大きな治療実績を挙げているロボット手術に関し、県立医科大学附属病院が今月から最新機種2台を導入した。手術ロボット2台を有するのは関西の医療機関では初めてで、5年前に導入した前の機種よりさらに精密な手術、患者の負担軽減につながり、今後は消化器外科や婦人科領域の手術にも活用の幅が広がることが期待されるという。
今回、県立医科大附属病院が導入した手術ロボットは、米国インテュイティブサージカル社が開発、製造・販売している通称「ダヴィンチ」と呼ばれる内視鏡手術支援ロボット。患者の体内に挿入する内視鏡で得た映像をディスプレーに3次元表示し、術者は離れた場所でそれを見ながら手元のレバーを動かし、連動するロボットアームを遠隔操作しながら手術を行う。
従来の開腹術に比べ患者の身体的負担が少ない腹腔鏡術が進化した術式で、同病院は2012年12月に初めて導入。保険適用されている前立腺がん摘出など主に泌尿器科領域の手術に使用され、13年度以降、前立腺全摘はほとんど、腎臓部分切除も16年度は開腹、腹腔鏡を上回る件数となった。
機種の入れ替えで新たに導入されたダヴィンチは、シリーズ最新機の「Xi」と「Si」の2台。Xiは内視鏡の中から伸びる鉗子(かんし=ものをつかんだり抑えたりする器具)の回転度、自由度がさらにアップし、患者の体の上にある内視鏡やカメラのアームもスリムになり、従来の機種より動きの制限がなくなり、あらゆる角度から最善のアプローチが可能になった。
ダヴィンチを2台有する医療機関は和歌山県立医科大附属病院が関西で初めて、西日本では広島大医学部附属病院に次いで2施設目。15日に記者発表した山上裕機院長、原勲泌尿器科学講座教授は「ロボット手術は患者さんの希望も多く、現在は手術を待ってもらっているが、2台あることによって待ち時間を減らし、最高の治療を行うことができる。当院は胃がんなど泌尿器科以外の領域の手術も保険適用に向けた施設基準の実績をクリアしており、今後は消化器外科や海外で多く行われている婦人科系疾患にも活用の幅が広がるものと期待している」と話している。手術室で最新型ダヴィンチの特性を説明する原教授

