由良町吹井、社会福祉法人県福祉事業団の障害者支援施設由良あかつき園(佐武政之園長)が16日、初の不審者対応訓練を行い、職員約20人が参加、見学した。
 夜間の職員宿直中に不審者が現れ、同園施設に押し入るという想定。不審者役に扮した御坊署員が「親戚おるんや。会わせいうとるやろが!」と迫真の演技でナイフを振り回すと、職員たちが本番さながらに対応。施設に「さすまた」がないため、モップやバットで不審者役の動きを止めようと、悪戦苦闘していた。しばらくすると由良駐在所から所員2人が駆け付け、不審者役を取り押さえた。
 このあと、不審者役を務めた御坊署生活安全刑事課の橋本寛敏係長らが講評。「身元が分からない人に対して入り口のかぎは開けないように」「宿直する職員の中であらかじめ不審者と話をする人や取り押さえる人、警察に通報する人などの役割分担を決めておく」などとアドバイスした。
 昨年7月、神奈川県相模原の障害者施設で大量殺人事件が起きたこともあり、参加者は利用者らの安全確保へ、自らの取るべき行動を考えるいい機会となった。