先日、玄関先に奇妙な棒切れのようなものがあるのを発見。長さ10㌢ほどで全体的に茶色をしており、細い枝のようなものも付いている。よくよく見れば棒切れは体で、細い枝は脚。これは木の枝に擬態した姿が特徴的な「ナナフシ」という昆虫だ。奇妙な生き物としてテレビかインターネットで紹介されていたのを見たから名前を知っていたのだと思う。美山に住んでいるのでもしかしたら子どものころに見たことがあったかもしれないが、あまり記憶にない。
 全く動く気配はなく、横にいた妻が親指と人差し指でつまむようにして簡単につかまえた。木に擬態しているのだから動くと意味がないのは分かるが、外敵から見つかれば簡単に捕獲されるに違いない...などと、情けをかけている場合ではない。筆者は虫が大の苦手。ナナフシをつかんだまま近づいてくる妻に驚愕しながら後ずさり。その後はよく知らないが、逃がしたそうだ。
 あらためてナナフシをインターネットで調べると、漢字では「七節」や「竹節虫」と書く。七節といっても実際に体の節が七つあるわけではない。おもしろいのは、あんなか細い脚で自分の体重の40倍もの重量を運搬できること。これが産業用ロボットの改良に役立てられ、ナナフシモデルと呼ばれているらしい。
 日本全国に生息しており、探せば見つかるようだが、普通に生活していてあまり見ることがないレアな昆虫でもある。昆虫の中でもテントウムシやタマムシは幸運を呼ぶと言われる。ナナフシにはそういったいわれはないが、珍客に出会え、何かよいことが起きるのではないかと期待する秋。それでもやっぱり虫は嫌いである。(吉)