徳本さんで日高おこし隊実行委員会(金﨑昭仁会長)が企画している徳本上人200回忌イベント(10月1日、中央公民館周辺)に向けて、和歌山大学観光学部の学生が、昔の「大八車」を2台製作した。若い力とアイデアを生かした地域活性化の取り組みの一環。徳本上人が生きた江戸時代の風景を再現してイベントを盛り上げようと、大八車の展示や荷台での物産販売などを考えている。
 同委員会では、和歌山大学観光学部の地域インターンシッププログラムの採択を受けて、昨年は学生たちと観光振興のワークショップを開催。その中で出された大八車のアイデアが、今回学生自らの手で形となった。
 学生は、いずれも観光学部2年の藤居悠河君(大阪府堺市出身)、橋本英樹君(大阪府八尾市)、銭谷健君(長野県)、三浦佳穂さん(和歌山市)、宮浦七海さん(石川県)の5人。大八車は江戸時代から昭和初期にかけて荷物の輸送に使われた人力の荷車。先月29日と今月18日の2回に分けて原谷の金﨑竹材店で製作し、スギの材料をのこぎりで切ったり、金づちでくぎを打ったりして組み立てていった。荷台部分には黒竹も使用。材料をあぶって磨いて独特のツヤを出す作業も体験した。車輪は、スクラップになる田植え機の車輪に竹を巻いて再利用した。大八車は長さ2㍍、幅1㍍。学生リーダーの藤居君は「試行錯誤しながらの製作でしたが、予想していた以上にクオリティーの高いものができました。地域活性化に携わることは、私たちにとって貴重な体験で、地域住民とのコミュニケーションにもつながります。この経験を生かし、今後も地域再生に貢献したい」と意気込んでいた。
 金﨑会長は「若い人たちのアイデアが実現できて喜んでいる。学生たちが日高町を知る機会にもなったと思う」と話している。今後、学生のアイデアで出された徳本上人やクエの顔出しパネルも作製。イベント当日は大八車の展示のほか、会場にござやよしずを設置して、江戸時代の風景をイメージする。