日本一短いローカル私鉄として有名な紀州鉄道(御坊市)のマスコットキャラクターが、誕生した。紀央館高校漫画部の宮﨑明奈さん(1年)が女子高生の設定で描いた「紀道(のりみち)りんこ」ちゃんと、若野宏成君(2年)が紀州犬をイメージして創作した「キテツ君」の2種類。今後はマグネットや缶バッジなどのオリジナルグッズの製作を検討しており、鉄道ファンらに人気を呼びそうだ。
 地域との協働に取り組んでいる紀州鉄道は紀央館高校漫画部と七夕の笹飾り以降、たびたびコラボ企画を行っており、マスコットキャラの製作を依頼していた。
 宮﨑さんの紀道りんこは紀央館高校の生徒という設定で、2頭身のミニキャラと8頭身の2種類を描いた。紀央館の制服姿で、帽子は紀州鉄道のマーク入り。靴と靴下のリボンの緑色は運行している車両の車体に入っているカラー、髪のリボンは車両KR301号とKR205号の車内のシートの色である赤と青を使った。「緑色は車両の色と紀央館のカラーで統一感のあるように工夫しました。自分が描いたキャラがグッズになるのはうれしい。愛されるキャラクターになってもらいたいです」と笑顔で話していた。
 若野君のキテツ君は、和歌山らしく紀州犬がモチーフ。県内には紀州犬をイメージしたきいちゃんやきしゅう君などたくさんのキャラがあるため、負けないようなデザインを心がけたという。紀州鉄道を見学したときにキャラを思いついたといい、紀州鉄道の制服と帽子をあしらった。手書きしたものを最後はパソコンで仕上げた。名前はずばり紀州鉄道を略して名付けた。「かわいいと思ってもらえるとうれしいです。キャラが人気になって、紀州鉄道にたくさん人が来るようになってほしい」と願いを込めて話していた。
 紀州鉄道企画営業の羽岡信義主任は「いいキャラクターができました。これから紀州鉄道のPRに役立てさせてもらいます」と喜んでいる。