公益財団法人日本陸上競技連盟等から2017年度少年少女陸上競技指導者表彰「安藤百福記念章」を受ける御坊市内の陸上競技クラブ、GOBOクラブ事務局長の桶谷直弘さん(45)。同クラブ創設から17年余り大会の出場登録などの事務を担当しながら選手たちの指導に尽力してきた。
 同クラブの取材はほぼ創設当時から担当しているが、練習風景などを見させてもらって感じることは、スタッフの個性のバランスがいいということだ。そんな中で桶谷さんは、市教委で子どもたちと触れ合う機会が多かった経験から部員たちに近い「お兄さん」的な存在として選手の精神面をケア。選手や保護者を集めて開かれる駅伝の祝勝会などでは持ち前の明るさでユーモアたっぷりに司会、進行を務め、その場を盛り上げる姿に感心したこともある。
 インタビューで印象に残っている言葉は「陸上がなければ、いまの自分はなく、陸上に自分の人生を変えてもらった」。指導者になってからの週2回の練習は生活の一部で、子どもたちの頑張っている姿を見ると元気が出るという。それに自身は公務員。地方創生に関係する部分でOB、OGが地元に帰ってきたとの知らせを受けることもうれしいそうで仕事のやりがいにもつながっている。
 桶谷さんと同年代の筆者は「野球に人生を変えてもらった」と少なからず思っている。園児のとき甲子園で観戦した箕島―星稜戦から野球にはまり、就職後はカメラで白球を追いかけている。何かに夢中、熱中し、私生活でも仕事でもそれを続けていられるのは大変幸せなこと。小学生の陸上指導に功労のあった人の取材を通し、そのことを思い出させてもらった。      (賀)