文化部の甲子園と呼ばれる第41回全国高校総合文化祭「みやぎ総文2017」の日本音楽部門は31日と1日に宮城県多賀城市で行われ、和歌山県を代表して出場した日高高校箏曲部がベスト8に当たる優良賞を受賞。5年ぶりの出場で、しかも8人という少人数で挙げた素晴らしい結果に、部員や関係者は喜んでいる。
 都道府県大会の優勝校が次年度の全国大会に出場できるシステムで、同部は通算19回目の出場。平成19年度から24年度までは6年連続で上位入賞し、うち2回は優秀校として国立劇場での東京公演に出演した。
 今回は全国から強豪校55チームが参加。日高は2・3年生8人で長沢勝俊作曲「箏四重奏曲」を演奏した。4パートに分かれる曲のため、1パートを2人だけで弾かなければならない。技術指導の神田(菊瓔)佐和子さんは、「一人一人の音が目立つ少人数の演奏で完璧に合わせるのは難しいのですが、あの大舞台で一つのミスもなく、3倍以上の人数を擁する他校に負けない豊かな音を響かせてくれました」と高く評価。OGたちも新幹線で駆けつけ、結果発表で部員とともに喜びを爆発させた。
 サポート役の1年生部員も準備や楽器の運搬などでしっかり先輩を支え、3200羽の折り鶴で作った応援ボードを最前列で掲げた。ことしは「美しく咲く満開の花のような力強い演奏ができるように」の思いを込めて「栄佳」の2文字。演奏メンバーは「舞台からこのボードを見ると心が落ち着きました。1年生も、全国入賞に大きく貢献してくれました」と感謝し、部長の岸井志織さん(3年)は「全国の大舞台で優良賞という結果が残せたのは、支えて下さった先生方や地域の方々、先輩方、家族のおかげです。宮城で出会った皆さんも温かい言葉で大きな力を下さいました。この結果はこのメンバーだからこそ成し得た、部員全員の誇りです」と喜びを話している。
 今月22日には田辺市の紀南文化会館で本年度の県大会が開催される。メンバーは「昨年の先輩のように、私たちも後輩に全国のバトンをつなげたい」と張り切っている。