智弁和歌山の2年ぶり22回目の優勝で幕を閉じた第99回全国高校野球選手権和歌山大会。強豪を土俵際まで追い詰めた紀央館の健闘ぶりは、本当に素晴らしかった。
 エース・石方遥城選手が、とりわけ脚光を浴びたのだが、他のメンバーの活躍もすごかった。湯川孝介選手は初戦から3戦連続第1打席に安打、先制のホームを踏み、垣内翔選手は和歌山工戦で5打席連続出塁。中野聖那選手は箕島、向陽戦で先制打、中村翔太選手は準決勝と決勝で計6安打と大爆発した。德永大紀選手は向陽戦で本塁打を放ち、準決勝と決勝では鉄壁の守備でエースをもり立てた。下位打線では山村亮選手が和歌山東戦で決勝の適時二塁打。智弁和歌山戦の最後の当たりは不運な併殺となったが、主将としてもチームをけん引した。小竹英之選手は和歌山工戦で貴重な追加点をたたき出し、決勝でも適時打。大森光洋選手は打たせて取るエースのリードが光り、和歌山東戦では内野安打で出塁、上位へつないで逆転を呼び込んだ。投打に大車輪の石方選手の陰に隠れた形だったが、振り返ってみるとほとんどの選手がチームの勝利につながる役割を果たしている。
 大会前の特集面で「シード校として臨んだ昨年夏のように飛び抜けた力を持つ選手は不在も『みんなが自分の役割を果たそうとしてまとまりがある』。ナインの結束力は例年以上に強く、チームワークで強豪と渡り合えるようになってきた」と記した。吉水智章監督は「粘って粘って(中略)最後に1点でも勝ち越す形に持っていきたい」。戦前の紹介通り、チーム全員で強豪とがっぷり四つに戦う姿を見せてくれた紀央館ナインに、高校野球の魅力をあらためて教えてもらったと思う。      (賀)