モノの売り方で、「未知マーケティング」というものが広がっているそうだ。「開けるまで何が出るか分からない。あえて中身を隠して売る手法」。ネットで調べると、日経MJが成長市場の可能性を感じ、名付けたとあった。
 例えばDVD。タイトル、それにジャケットもなしで、ただキャッチコピーが書かれている。大手のショップでは「全員フルボッコの最強パパ」などと文字のみを表示しているという。客が借り、がっかりしないように高い評価のある作品を選んでおり、その手法でも借り手はいるようだ。すでに航空券、書籍などでも同様の販売方法があり、「何が出るのか分からない」などのドキドキ、わくわく感が消費者には好評だとか。また、自分でモノを選ぶと興味がなければスルーだが、これならそうはいかない。福袋のようなお楽しみ感にプラスし、新しい出会いの提供もこの手法の広がりを後押ししているのだろう。
 「記者は何事にも興味を持て」といわれるが、実際にモノを買うとなると「何が出るか」では不安。だから、この手法の良さはピンとこないが、「新しいモノに出会える」という部分には少しひかれる。
 ネット社会のいま、ニュースや情報を得る際はスマホやパソコンを利用する人がほとんどだが、それでは興味のある内容に偏ってしまう。ネットにはスピードで勝てない新聞は、紙面を見渡せばさまざまな情報に出会えるので「きょうは何が載っているのかな」という未知マーケティングに近い存在ではないだろうか。視野を広げる、幅広い知識を得るツールとしてネットに対抗でき、あとは読者の心を刺激する、新しい出会いを提供する紙面づくりへ一層努力が必要と感じている。    (賀)