活発な梅雨前線の影響で、九州の福岡や大分などで記録的な豪雨が続き、甚大な被害が発生している。テレビや新聞では増水した川の濁流に建物がのみ込まれたり、道路が浸水したりした映像や写真が生々しく報道。まさに悲惨としかいいようがない光景で、自然災害の怖さをまざまざと思い知らされる。
両県では死者や行方不明者も発生し、孤立している地域も多い。自宅に帰ることができず避難所生活を続けている住民も大勢いる。大雨特別警報は6日に解除されたが、まだまだ危険な状態から脱することはできない。
日本は水害が多い国で、毎年と言っていいほど全国各地で発生している。特に夏から秋にかけては注意しなければいけない時期だ。当地方でも平成23年に紀伊半島水害が起きた。河川の濁流に流されたり、山から崩れ落ちた土砂にのみ込まれたりし、日高川町で3人(行方不明1人)、みなべ町で1人の尊い命が奪われた。県内では紀南地方を中心に甚大な被害となり、死者と行方不明者合わせて61人の犠牲者が出た。人的な被害のほか、河川の氾濫、道路の損壊などが発生し、清川地区は一時孤立するという事態にも陥った。災害から6年経っても当時の記憶はまだ新しい。
被災後、復旧・復興作業が行われ、町の姿は被災前の状態に戻ったといえるだろう。しかし、水害への対策は進んだのか。公民館に備蓄食料品を配備したり、土砂災害マップを製作したりしているが、それだけでは十分とは言いがたい。一方、近い将来発生するといわれる南海地震の備えは着々と進んでいる。起こる災害は地震や津波だけでなく、水害に対する備えをもう一度見直す必要があるのではないか。九州は決して人事ではない。 (雄)

