御坊市野口出身で千葉市在住の坂口三代治さん(61)が中心となって、千葉市が発祥の古代ハス・大賀ハスを生かして地域振興につなげようと、7月22日に同市で「大賀ハスシンポジウム~大賀ハスの発掘からの半世紀を振り返って~」が開催される。基調講演では、和歌山大賀ハス保存会の阪本尚生会長(御坊市)が講師を務めることが決まった。大賀ハスを通じた千葉と和歌山の交流促進の機会になると期待されている。
 坂口さんは野口小、河南中、日高高校を卒業。大阪市立大学を卒業後は三井造船に就職し、千葉市に37年間住んでいる。平成23年には橋の設計を手掛けるシビルデザインK.K.を立ち上げて経営している。昨年秋、千葉市からまちづくり研究員の委嘱を受け、千葉市の花である大賀ハスをまちづくりに生かす取り組みの検討をスタート。ことしは大賀ハスが開花して65周年で、まずは多くの市民に魅力を再認識してもらおうとシンポジウムを企画した。
 坂口さんと阪本さんは日高高校の同級生でいまでも親交が続いている。阪本さんは大賀ハスが国内外に広がる中心的役割を果たし、遺伝子組成を変えないための系統保存にも貢献していることから講師を依頼した。基調講演では和歌山保存会の活動や昭和40年代にあった真偽論争、遺伝子組成、近年の研究動向などについて話す。
 第2部はパネルディスカッション。坂口さんがコーディネーターを務め、パネリストは西日本を代表する阪本さんと、東日本を代表する研究者の南定雄さん、千葉市中央・稲毛公園緑地事務所元所長の斉藤久芳さんが大賀ハスの現状と未来について討論。今後、どのようにまちづくりに生かしていけるかのヒントにする。
 坂口さんは「30万人が来場する蓮祭りを開催しているまちもある。千葉市でも今後、全国的なイベントの開催や、2020年東京オリンピックに向けて外国人観光客にプレゼンするきっかけとなるよう、シンポジウムを成功させたい」と期待を込め、阪本さんも「ハスを通じて和歌山と千葉の交流が深まるきっかけになれば」と話している。
 シンポジウムは和歌山県出身で千葉県に本社を置くヤマサ醤油㈱も協賛している。