美浜町の地方創生事業の一つ、「日の岬・アメリカ村の再生とふるさと教育」で、地元産品を使った漁師レストランが整備される。いま、協議会や下部組織の部会でさまざまなアイデアを出し合っているところだが、運営方法についてこんな提案はどうだろうか。
 「漁師(が調理する)のレストラン」としてオープンさせ、調理に当たる「漁師」は町の臨時職員として働いてもらう。採用に際しては全国から飲食店の開店を目指す若い起業志望者を公募。3年間の期間限定で月額20万円程度の給料を払って雇用し、住まいは地元の空き家を無償で提供する。期間中は調理技術、郷土料理、経営ノウハウなどを学ぶほか、漁に出て魚や貝を獲りヒジキやワカメ刈りもやり「漁師」になってもらう。協議会で少し話題になっていたが、三尾の活性化では漁師の後継者対策も大きな課題の一つ。ただ、組合員になるには「定住3年」などの要件があるそうでハードルが高い。これを特区のようにし、この制度を活用する人は特別に漁ができるようにする。もちろん食材は魚介類から野菜までほとんど町内から調達。若者定住、1次産業振興、空き家対策、雇用創出、話題提供など一石二鳥にも三、四鳥にもなる。
 ちなみにオリジナルのアイデアではない。島根県西部、石見地方にある人口約1万1000人のまち、邑南町(おおなんちょう)の「耕すシェフの研修制度」を漁業版にアレンジさせてもらった。制度開始から5年、3店舗オープン、移住者240人、レストラン(里山イタリアン AJIKURA)は8割町外の客で年間5000~6000人が来場、さらに経済効果は約3億円に上るという。海と山の違いはあるが、参考になると思う。   (賀)